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自動車保険の「車両保険」は、事故などで自分の車が損傷した場合の修理費用などを補償するための保険です。
電柱やガードレール、壁などにぶつけてしまった単独事故でも、契約している車両保険の補償内容によっては保険金を受け取れる場合があります。
ただし、車両保険を使うときに気になるのが、「翌年の等級は何等級下がるのか」「保険料はいくら上がるのか」という点です。
一般的なノンフリート契約では、単独事故で車両保険を使った場合、多くのケースで3等級ダウン事故として扱われます。
一方で、盗難や落書き、台風・洪水などによる損害は、一定の条件を満たすと1等級ダウン事故として扱われる場合があります。
そのため、「車両保険を使えるから使う」とすぐに決めるのではなく、修理費用と免責金額、今後の保険料への影響を比較することが大切です。
この記事では、単独事故で車両保険を使った場合の等級への影響、3等級ダウン事故と1等級ダウン事故の違い、車両保険を使うか判断するポイントをわかりやすく解説します。
単独事故で車両保険を使うと原則3等級ダウン
電柱やガードレール、壁などに自分でぶつけた単独事故で車両保険を使った場合、一般的には3等級ダウン事故として扱われます。
自動車保険では、事故の内容などに応じて、3等級ダウン事故、1等級ダウン事故、ノーカウント事故に分けられます。
単独事故による車両損害は、一般的に3等級ダウン事故に該当します。
20等級で単独事故を起こして車両保険を使った場合のイメージ
現在:20等級
↓ 単独事故で車両保険を使用
翌年:17等級
事故有係数適用期間3年
↓ 無事故で更新
翌々年:18等級
事故有係数適用期間2年
↓ 無事故で更新
3年後:19等級
事故有係数適用期間1年
↓ 無事故で更新
4年後:20等級
事故有係数適用期間0年
つまり、単独事故で車両保険を使った場合、単純に「3等級下がる」だけではありません。
等級が下がることに加えて、一定期間は事故有の割増引率が適用されるため、同じ等級の無事故契約者より保険料が高くなることがあります。
そのため、車両保険を使うかどうかを考えるときは、翌年だけではなく、その後数年間の保険料への影響も確認することが重要です。
なぜ3等級ダウンすると保険料が高くなるの?
自動車保険の等級は、事故の有無などに応じて保険料の割増引率を決めるための仕組みです。
例えば20等級の人が単独事故で車両保険を使った場合、翌年は原則として17等級になります。
さらに事故有係数適用期間も加算されるため、事故前と比べて保険料が大きく変わる可能性があります。
ただし、保険料が「必ず○万円上がる」というわけではありません。
年齢、車種、型式、使用目的、保険金額、補償内容、免責金額、保険会社などによって保険料は変わるためです。
実際にどれくらい保険料が上がるのかは、保険会社に「今回の事故で車両保険を使った場合」と「使わなかった場合」の両方を試算してもらうのが確実です。
3等級ダウン事故と1等級ダウン事故の違い
車両保険を使った事故が、すべて3等級ダウンになるわけではありません。
事故の原因によっては、1等級ダウン事故として扱われる場合があります。
| 事故の種類 | 翌年の等級 | 事故有係数適用期間 |
|---|---|---|
| 3等級ダウン事故 | 3等級下がる | 原則3年 |
| 1等級ダウン事故 | 1等級下がる | 原則1年 |
| ノーカウント事故 | 等級に影響しない | 原則として加算なし |
盗難や台風、洪水、高潮などによる車両保険の保険金を受け取った場合などは、1等級ダウン事故として扱われることがあります。
ただし、実際の事故区分は保険会社の商品や契約内容によって確認する必要があります。
3等級ダウン事故の例
- 電柱や壁などへの単独事故
- ガードレールなどへの衝突
- 他の自動車との衝突
- 転覆・墜落
- 当て逃げによる車両損害
単独事故による車両損害は、一般的に3等級ダウン事故に該当します。
1等級ダウン事故の例
- 盗難
- 落書き・いたずら
- 飛び石などによる損害
- 飛来物・落下物による損害
- 台風・洪水・高潮などによる損害
- 火災・爆発など
ただし、事故の原因や契約内容によって扱いが異なる場合があります。
「この事故なら必ず1等級ダウン」と自己判断せず、保険会社に事故区分を確認してください。
単独事故で車両保険を使うか迷ったら?
単独事故を起こした場合、車両保険を使えるからといって、必ず使った方が得とは限りません。
理由は、車両保険を使うことで翌年以降の保険料が高くなる可能性があるためです。
受け取る保険金よりも、翌年以降の保険料の増加額の方が大きくなる場合もあります。
車両保険を使うか判断するときは、次の3つを比較しましょう。
① 修理費用
② 車両保険の免責金額
③ 車両保険を使った場合に増える将来の保険料
修理費用が少額なら自己負担が有利な場合も
例えば修理費用が10万円で、車両保険の免責金額が5万円だったとします。
この場合、保険を使っても自己負担が発生するうえ、翌年以降の保険料が高くなる可能性があります。
そのため、修理費用が比較的少額なら、保険を使わず自己負担で修理した方が結果的に負担が少なくなるケースがあります。
修理費用が高額なら車両保険が役立つ
一方で、修理費用が数十万円、場合によっては100万円を超えるような大きな損害になると、保険料への影響を考えても車両保険を使うメリットが大きくなることがあります。
そのため、金額だけで「○万円なら保険を使う」と決めるのではなく、保険会社に具体的な保険料を試算してもらうことが大切です。
車両保険を使う前に確認したい5つのポイント
- 現在の等級
- 車両保険の免責金額
- 今回の事故が何等級ダウン事故になるか
- 車両保険を使った場合の次年度以降の保険料
- 修理費用はいくらか
特に重要なのが、「車両保険を使った場合の保険料」です。
保険会社に相談すれば、車両保険を使った場合の次年度以降の保険料を確認できる場合があります。
その金額と修理費用を比較してから判断しましょう。
単独事故はどの車両保険なら補償される?
車両保険には、補償範囲が広いタイプと、補償範囲を限定したタイプがあります。
保険会社によって商品名や補償内容は異なりますが、一般的に補償範囲が広いタイプでは、自分で電柱や壁などに衝突した単独事故が補償対象となる場合があります。
一方、補償範囲を限定したタイプでは、単独事故が補償対象外となる場合があります。
「車両保険に加入している=単独事故も必ず補償される」ではありません。
事故を起こす前に、自分の契約している車両保険の補償範囲を確認しておきましょう。
車両保険の補償範囲のイメージ
| 事故・損害 | 補償範囲が広いタイプ | 限定タイプ |
|---|---|---|
| 電柱・壁などへの単独事故 | ○の場合が多い | ×の場合が多い |
| 他の自動車との衝突 | ○ | ○の場合が多い |
| 当て逃げ | ○の場合が多い | 契約内容による |
| 盗難 | ○の場合が多い | ○の場合が多い |
| 台風・洪水など | ○の場合が多い | ○の場合が多い |
| 落書き・いたずら | ○の場合が多い | 契約内容による |
| 地震・噴火・津波 | 原則として対象外の場合が多い | 原則として対象外の場合が多い |
上表は一般的なイメージです。実際の補償範囲は保険会社の商品、契約内容、特約などによって異なります。
単独事故を起こしたら警察に連絡する
単独事故であっても、ガードレールや電柱、標識、建物などを壊した場合は、適切な対応が必要です。
事故を起こしたときは、まず自分や同乗者の安全を確認し、周囲の安全を確保したうえで警察へ事故を報告しましょう。
けが人がいる場合は、必要に応じて119番への通報も行います。
単独事故を起こしたときの基本的な流れ
- 自分や同乗者にけががないか確認する
- 周囲の安全を確認する
- けが人がいる場合は119番へ連絡する
- 警察へ事故を報告する
- 事故現場や車の損傷を安全な範囲で記録する
- 保険会社へ連絡する
- 修理前に保険会社へ相談する
事故現場が高速道路など危険な場所の場合は、安全確保を最優先にしてください。
単独事故でも交通事故証明書は必要?
単独事故を起こした場合でも、警察への届出が重要です。
警察に事故を届け出ることで、必要に応じて交通事故証明書を取得できます。
ただし、「交通事故証明書がなければ必ず車両保険が使えない」と一律に決まっているわけではありません。
必要な書類や事故確認の方法は保険会社や契約内容によって異なるため、事故を起こしたら早めに保険会社へ連絡しましょう。
事故後にやっておきたいこと
ドライブレコーダーの映像を保存する
ドライブレコーダーを装着している場合は、事故前後の映像を保存しておきましょう。
ドライブレコーダーは古い映像から順番に上書きされるタイプがあるため、必要な映像が消えてしまわないよう注意してください。
事故現場や車の損傷を撮影する
安全を確保できる場合は、車の損傷箇所や事故現場などを写真で記録しておくと、保険会社への説明に役立つ場合があります。
ただし、道路上など危険な場所で撮影することは避け、安全を最優先にしてください。
車両保険を使う前に保険会社へ相談しよう
単独事故を起こしたら、自己判断で「保険を使う」「使わない」をすぐに決める必要はありません。
まず保険会社に事故を連絡し、今回の事故が何等級ダウン事故になるのか、車両保険を使った場合の保険料がどの程度変わるのかを確認しましょう。
そのうえで、
- 修理費用
- 免責金額
- 将来の保険料増加額
を比較すると判断しやすくなります。
少額の修理なら自己負担、高額な修理なら車両保険を使う、というケースもありますが、最終的には自分の契約条件で比較することが大切です。
よくある質問
単独事故で車両保険を使うと必ず3等級下がりますか?
一般的には、電柱や壁などへの単独事故で車両保険を使うと3等級ダウン事故として扱われます。
ただし、事故の内容や契約内容によって扱いが異なる場合があるため、保険会社への確認をおすすめします。
車両保険を使うと保険料は必ず上がりますか?
3等級ダウン事故や1等級ダウン事故として扱われる場合は、翌年以降の等級や事故有係数適用期間に影響するため、保険料が高くなる可能性があります。
実際の保険料は契約条件によって異なります。
修理費用が10万円なら車両保険を使わない方がいいですか?
一概にはいえません。
免責金額や現在の等級、車両保険を使った場合の保険料などによって変わります。
保険会社に保険を使った場合の保険料を確認し、自己負担で修理する場合と比較して判断しましょう。
単独事故を起こしたら警察への連絡は必要ですか?
単独事故であっても、事故の状況に応じて警察への報告が必要です。
特にガードレールや電柱、標識、建物などの物を壊した場合は、そのまま立ち去らず、警察に連絡して必要な対応を確認しましょう。
自動車保険全体の選び方も確認
単独事故や車両保険を使った場合の等級だけでなく、自動車保険全体の補償内容や車両保険の選び方については、以下の記事も参考にしてください。
まとめ|単独事故で車両保険を使う前に保険料を確認しよう
電柱や壁、ガードレールなどに衝突した単独事故で車両保険を使った場合、一般的には3等級ダウン事故として扱われます。
3等級ダウン事故では、翌年の等級が3つ下がるだけでなく、原則として3年間は事故有の割増引率が適用されます。
一方、盗難や落書き、台風・洪水などによる損害は、一定の条件を満たすと1等級ダウン事故となる場合があります。
そのため、車両保険を使うか迷った場合は、次の3つを比較することが重要です。
- 修理費用
- 車両保険の免責金額
- 車両保険を使った場合の将来の保険料
少額の修理では保険を使わない方が負担を抑えられる場合がありますが、高額な修理では車両保険を使うメリットが大きくなることもあります。
事故を起こしたら、まず安全を確保し、警察と保険会社へ連絡。そのうえで保険を使うか判断する。
この順番を覚えておくと、事故後に慌てず対応しやすくなります。
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参考情報
※この記事は自動車保険の一般的な仕組みを解説したものです。実際の補償範囲、事故区分、保険料、保険金の支払条件などは保険会社や契約内容によって異なります。具体的な事故については、加入している保険会社や代理店に確認してください。