自動車保険の等級は、条件を満たせば他社へ乗り換えても原則として引き継げます。保険会社を変更しただけで、6等級からやり直すわけではありません。ただし、事故による等級ダウンや事故有係数適用期間も引き継ぐため、事故歴を消すことはできません。
まず確認したいのは「新契約に適用される等級・事故有係数適用期間」と「旧契約の終了日時・新契約の開始日時」です。この記事では、一般的な個人のノンフリート契約を中心に、乗り換え時に等級を失わないための判断ポイントを解説します。
情報確認日:2026年10月6日。PR:本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。
自動車保険の等級は他社へ乗り換えても引き継げる?
ノンフリート等級制度を採用する保険会社間では、原則として等級を引き継げます。代理店型からネット型への変更でも、会社の違いだけを理由に等級を失うわけではありません。
ただし、引き継ぎには契約間の期間、記名被保険者(主に車を使用する人)、車の用途・車種などの条件があります。一部の共済からの変更や、保険料不払いなどで契約を解除された場合は扱いが異なるため、乗り換え先への確認が必要です。三井住友海上の等級引き継ぎ案内も参照してください。
乗り換えても6等級からやり直しにならない理由
等級は、その会社での契約年数だけで決まるものではなく、前契約の等級や保険事故の情報を踏まえて決まります。乗り換え先にとって初めての顧客でも、引き継ぐ前契約があれば、初めて保険に入る人とは扱いが違います。
申込時は保険証券や更新案内を準備しましょう。現在の等級が不明な方は、自動車保険の等級の調べ方から確認できます。
20等級でもそのまま引き継げる?
引き継ぎ条件を満たし、等級が下がる事故がなければ、20等級で他社へ乗り換えられます。ただし、20等級のままでも保険料が同額になるとは限りません。各社の料率、補償内容、走行距離などが異なるためです。
等級の引き継ぎと保険料の比較は分けて考えましょう。割引率や保険料の見方は、20等級の保険料相場と見直しのポイントで解説しています。
事故を起こした後に保険会社を変更するとどうなる?
保険会社を変えても、保険を使った事故の影響は原則として残ります。乗り換え先は、前契約の事故件数・事故区分などを反映して、等級と事故有係数適用期間を決めます。
事故有係数適用期間は、「事故有」の割増引率が適用される期間です。同じ等級でも無事故の契約とは割引率が異なることがあります。等級だけを入力して、事故有係数適用期間を0年にして見積もらないよう注意してください。
例えば、1年契約で17等級・事故有係数適用期間0年の人が、契約期間中に3等級ダウン事故で1回保険を使った場合、他社への切り替えでも14等級・事故有係数適用期間3年となる例があります。事故があっただけで一律に下がるのではなく、保険を使ったか、ノーカウント事故に該当するかなどで変わります。
事故対応中で保険金を請求するか未定なら、その状況を乗り換え先へ伝えましょう。請求の有無が後で変わると等級・保険料の訂正が必要になる場合があります。詳しくはソニー損保の等級訂正の案内をご確認ください。
満期で乗り換える場合と、中途解約する場合の違い
| 満期で乗り換え | 中途解約して乗り換え |
|---|---|
| 1年の無事故実績を反映し、原則1等級上がる。20等級は上限。 | 原則同じ等級で始まり、次に上がる時期が遅れる場合がある。 |
| 満期日に新契約を開始し、補償が途切れないことを確認する。 | 解約日と始期日を同一日にし、補償が途切れないことを確認する。 |
| 更新しない旨や自動継続の停止を確認する。 | 解約返戻金と新契約の保険料も比較する。 |
事故がある契約、長期契約、短期契約などは扱いが異なります。事故有係数適用期間の進行も含め、保険会社・契約条件によって異なるため確認が必要です。
満期で乗り換える場合
通常の1年契約を無事故で終えるなら、例えば12等級から13等級へ進んだ状態で乗り換えます。見積もり画面で「現在の等級」を聞かれているのか「新契約の等級」を聞かれているのか確認し、画面の案内に従って入力してください。
更新案内の情報は作成後の事故を反映していないこともあります。満期直前に保険を使った場合は再確認が必要です。更新の準備については、自動車保険の更新時期と確認事項も参考になります。
中途解約して乗り換える場合
契約途中でも引き継ぎは可能ですが、無事故だからといって、その時点で1等級上がるとは限りません。例えば12等級の1年契約を半年で解約すると、新契約も原則12等級で始まり、そこから1年間無事故で13等級へ進むため、満期まで続けた場合より進行が遅れます。
「今より安い見積もりが出たので即解約したが、次の等級アップが遅れた」という失敗を避けるには、満期乗り換えの見積もりも取ることが大切です。保険期間を通算する扱いの有無や適用条件、事故有係数適用期間が減る時期は、乗り換え先に確認してください。ソニー損保は途中切り替えによる等級進行の遅れを案内しています。
解約の連絡方法や返金の詳しい説明は、自動車保険の解約・中途解約と乗り換え手続きをご覧ください。
引き継ぐ等級がわかったら、同じ補償で保険料を比較
等級・事故有係数適用期間・開始日をそろえて比較すると、会社による違いを確認しやすくなります。見積もり後に等級や補償条件も見直しましょう。
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比較しても必ず保険料が下がるとは限りません。
解約日と新しい保険の始期日はどう合わせる?
中途で乗り換える場合は、旧契約の解約日と新契約の始期日を同一日にすることが重要です。また、実際に補償が終了・開始する時刻は契約によって異なる場合があるため、無保険となる時間が生じないよう両方の保険会社に確認してください。
「10月20日に解約し、翌21日から加入」でよいと思うと、その間に無保険の時間が生じる可能性があります。開始時刻は契約によって異なり、申込みを送信した時点で補償が始まるとも限りません。新契約の引受け・成立と補償開始の条件を確かめてから、旧契約を終了させましょう。
反対に旧契約を残したまま重複契約すると、等級の適用や保険料の精算に確認が必要になります。自動継続の有無も確認し、両社に切り替えであることを伝えてください。
空白期間ができる場合の注意点|7日と8日以上の違い
満期後の等級継承|7日の数え方と申込期限を確認
満期後に契約が空いた場合でも、所定の期間内なら等級を引き継げる扱いがあります。三井住友海上は、満期日の翌日を1日目として7日以内に新契約を開始する必要があるとし、満期日が1月1日なら1月8日までに開始する例を示しています。
一方、アクサ損害保険の申込みFAQは「満期日を含めて7日以内」と案内しています。「7日ルール」という呼び名だけで期限を決めず、自分の終了日を伝え、乗り換え先が受け付ける始期日と申込期限を確認してください。
中途解約による他社切り替え|同日条件を優先して確認
日本損害保険協会の案内では、中途で他社へ切り替える場合、旧契約の解約日と新契約の始期日を同一日にしないと等級を引き継げない場合があるとされています。満期後の7日の扱いを、そのまま中途切り替えに当てはめないでください。
7日ルールは、いつ乗り換えてもよいという万能なルールではありません。中途で変更する場合は、解約前に両社へ切り替え予定日を伝え、同日条件を含む等級引き継ぎの扱いを確認しましょう。保険会社・契約条件によって異なるため確認が必要です。
8日以上空いた場合と、補償の空白は別に考える
東京海上ダイレクトでは、終了日の翌日から起算して8日以後13か月以内に新契約を開始する場合、6F等級を上限とし、事故有係数適用期間も引き継ぐと案内しています。高い等級を維持できない一方で、不利な情報だけが消えるわけではありません。中断制度などの例外や具体的な等級は契約先へ確認が必要です。出典:同社の乗り換え・等級引き継ぎ案内。
等級を引き継げる期間は、無料で補償が延長される期間ではありません。旧契約の終了後、新契約の開始前に起きた事故は、原則としてどちらの契約でも補償されません。等級の期限内であっても、補償が途切れないことを両社に確認してください。
低い等級や事故歴をリセットすることはできる?
他社へ変更する、契約者名を変える、数日契約を空けるといった方法で、不利な等級や事故有係数適用期間を都合よく消すことはできません。1~5等級などは、前契約終了から13か月以内の再契約でも引き継ぐ扱いがあります。6等級以上でも事故有係数適用期間が残るケースに注意が必要です。
期間を空けた後の扱いは契約条件で異なります。「13か月待てば必ず6等級で加入できる」とも断定できません。無保険で車を使い続ける方法を、保険料対策として選ぶべきではありません。
保険会社間で契約情報・事故情報を確認する制度がある
日本損害保険協会は、乗り換え時の事故の有無などを確認する無事故・事故確認制度と、過去の契約の有無などを確認する1~5等級・割増料率適用対象契約情報交換制度を公開しています。
前契約の等級・事故件数などを正しく申告しましょう。申告が違えば、契約後に等級・保険料が訂正される場合があります。
中断証明書とは?車を売却・廃車するときの等級保存
中断証明書は、車を手放すなどして保険を一時中断するとき、一定の条件で将来の契約に等級等を引き継ぐための書類です。単に保険会社を変更するための証明書ではありません。
国内中断では売却・譲渡・廃車などが対象となり、一般的には中断後の契約に適用される等級が7等級以上であることなどが条件です。「しばらく乗らない」だけで必ず発行されるわけではありません。
損保ジャパンは原則として中断日の翌日から13か月以内の請求を案内しています。保存期間は最長10年とする例がありますが、発行条件、期限の起算日、再開時の車の取得時期などは確認が必要です。他社発行の証明書を使える場合もあります。出典:損保ジャパンの中断制度、ソニー損保の中断証明書案内。
例えば20等級で車を売却し、数年後に買い直す予定なら、解約時に中断証明書の発行可否を相談してください。証明書は自動的に届くと思い込まず、必要書類と発行状況を確認して保管します。事故がある場合は、その情報も踏まえた所定の等級等で再開します。
すぐに別の車へ買い替えるなら、先に車両入替ができるか確認します。売却・納車・保険会社変更を同時に行う場合は、車の情報と日付を両社へ伝えてください。
家族へ等級を引き継ぐ場合は「記名被保険者」を確認
一般的には、記名被保険者の配偶者、本人または配偶者と同居する親族への変更で、等級を引き継げる場合があります。配偶者は別居でも対象となる例がある一方、別居の子どもは原則として対象外です。
親の等級を子に引き継ぐなら、同居・別居の状況、実際に主に運転する人、車の所有者を確認します。保険料を抑える目的で、実態と違う人を記名被保険者にしてはいけません。転居と乗り換えが重なる場合は、変更日の条件を事前に相談しましょう。
等級を家族の2台の車へ同時に複製することもできません。2台目の新規契約で条件を満たすと7等級から始められる制度とは別です。詳しくは2台目の自動車保険とセカンドカー割引をご覧ください。
保険会社を乗り換える手順|等級の確認を先に
- 証券・更新案内で現在の等級、事故有係数適用期間、満期日時を確認する。
- 事故対応中の案件も含めて申告し、新契約の等級・事故有係数適用期間を乗り換え先に確認する。
- 同じ開始日・補償条件で見積もりを比較し、満期と中途のどちらで切り替えるか決める。
- 新契約の成立・開始日時を確認し、旧契約の更新停止または解約を手配する。
- 新しい契約書類で等級・事故有係数適用期間・日時が予定どおりか確認する。
見直しを始める時期は、自動車保険を乗り換えるタイミング、比較時の注意は自動車保険一括見積もりの使い方で確認できます。
乗り換え前チェックリスト
- 新契約の等級と事故有係数適用期間を、セットで確認したか。
- 保険を使った事故・請求検討中の事故を伝えたか。
- 満期か中途かによる、次の等級アップ時期の違いを確認したか。
- 旧契約の満期日または解約日と新契約の始期日を合わせ、補償が途切れないことを確認したか。
- 家族への変更、共済からの変更、車両入替などの条件を確認したか。
- 車を手放すなら、中断証明書の発行・再開条件を確認したか。
- 補償内容、解約返戻金、自動継続の有無も確認したか。
乗り換え前に、現在の契約と比較してみましょう
引き継ぐ等級を確認したうえで、保険料だけでなく、車両保険の免責金額や運転者の範囲もそろえて比較しましょう。見積もりは、契約を決める前の確認に役立ちます。
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見積もりの条件と、正式な契約条件を確認してから申し込んでください。
よくある質問
保険会社を変えると、事故有係数適用期間は0年になりますか?
原則としてなりません。事故有係数適用期間も引き継ぐ対象です。新契約への適用年数を、乗り換え先に確認してください。
解約してから7日以内なら、車を運転しても大丈夫ですか?
7日の扱いは補償の猶予ではありません。また、中途切り替えでは解約日と始期日が同一日でないと等級を引き継げない場合があります。保険が切れている間は事故の補償を受けられないおそれがあるため、運転する前に補償の開始を確認してください。
中途乗り換えで20等級を引き継ぐなら、気にすることはありませんか?
20等級でも事故有係数適用期間、終了・開始日時、返戻金や補償内容の確認は必要です。等級が同じでも、保険料や条件は変わります。
中断証明書があれば、どの保険会社でも必ず再開できますか?
必ずとはいえません。証明書の受入れ、車・記名被保険者、再開期限などの条件や引受け基準を、加入先に確認する必要があります。
まとめ|乗り換え前に等級・事故有係数・開始日時を確認しよう
他社への乗り換えでも、条件を満たせば等級は引き継げます。大切なのは、事故の影響も含めて新契約の条件を確認し、旧契約と新契約の補償を途切れさせないことです。
満期乗り換えを基本に、中途の場合は等級の進行と費用を比較しましょう。車を手放すなら中断制度を相談し、家族への引き継ぎでは実際の使用者と同居条件を確認します。補償選びもまとめて確認したい方は、自動車保険の選び方完全ガイドをご覧ください。
参考情報
- 損害保険料率算出機構:自動車保険参考純率(等級・無事故/事故有の区分)
- 日本損害保険協会:契約情報等の共同利用制度(無事故・事故確認、低等級、中断の確認)
- 日本損害保険協会:自動車保険(中途切り替え時の同日条件)
- 三井住友海上:等級の引き継ぎ(期間、事故、家族の条件)
- 東京海上ダイレクト:乗り換えと等級引き継ぎ(満期、8日以後の扱い)
- アクサ損害保険:満期後の申込みFAQ(期限の確認)
- ソニー損保:途中切り替えの注意点(等級進行)
- 損保ジャパン:中断証明書の条件と再開(売却・廃車時の保存)
本記事は2026年10月6日に確認できた公開情報に基づく一般的な解説です。等級の引き継ぎ、事故有係数適用期間、中断制度、申込み期限などは、保険会社・共済・商品・契約条件によって異なるため確認が必要です。契約前に適用される約款・重要事項説明書を確認し、最新情報と個別の取扱いは各保険会社・代理店へお問い合わせください。